イタリアスキー実体験レポート メンバーズボイス・アンケート イタリアスキー達人のコメント

2001 season 実体験レポート

新人スタッフ 柏木佑 研修レポート
「マルコのアオスタスーパースキー」(後編)
2001年1月7日〜14日
ISCスタッフ/柏木 佑

[ 目 次 ]
第3日目 チェルヴィニアの標高の高さと吹雪に・・・・
第3日目 うまい料理に楽しい会話、気の合う仲間。そんな食事時間が大好き!
第3日目 ヴェンティーナの超ロングで大満足、大満腹!
第4日目 こじんまりとした中にも面白さ満載!
      誰にでも愛されるクールマイユール。

第4日目 自分にないものを持つ人との出会いは素晴らしい。
第5日目 スキー最終日は、2つの大渓谷に跨る3エリアから成る
      モンテローザへ。

第5日目 野生動物(?)と不思議な人(?)との出会い
第5日目 半日スキーを豪快にカッ飛び、豪快なランチへ。
      ついに負けたか?!

第6日目 帰国日。マルコは最後まで素晴らしかった。
最後に


 
第3日目 チェルヴィニアの標高の高さと吹雪に・・・・

 アオスタスーパースキーツアーも半ばを迎えた、スキー3日目の今日は、チェルヴィニアへ行くことになった。このスキー場の名前は私が入社したときから常々耳にしていたので、実際にはどんな場所なのかと内心一番楽しみにしていた。写真や文章でいくら事前に情報を収集していても自分の目で見ないことには何も言えないですからねぇ。 

 いつものように朝8時にホテルを出発。だが、この8時出発という時間、不思議と早く感じないのだ。普通ならば、毎日運動して疲れきって寝た後の朝というのは、なかなか起きれないものだが・・・なぜだろう。幼少の頃、学校に行く日は布団から出ようとしないのに、休みの日は早起きするというのと同じなのだろうか。人間、楽しみが待っていると元気が沸いてくるものだ。

 約1時間でブロイル・チェルヴィニアの街に到着。街の雰囲気は坂が多いけど暮らすには不自由しなそうな店揃え。天気は悪いが雪質は良さそうだ。 さっそく、ブロイル・チェルヴィニアの街からゴンドラでプラン・メゾンまで途上。プラン・メゾンにはホテルもある。ロビーを出たら、ゴンドラの駅に直結。なんて便利なんだろうなぁ。そこから2本ゴンドラを乗り継ぎ、ようやくトップのプラト・ローザに到着。さて、外は?おー、吹雪いてるッ! スゲェ、吹雪いてるぞ! しかし、そんなことより私の目を惹きつけたものは、ゴンドラを降りたところにあるスイスとイタリアの国境の線だ。私は身体の半分はイタリアでもう半分はスイスにいるんだ、なんてどうでもいいことを密かに試していた。結局、人間が決めた線だからそう考えてしまうと虚しいが、くだらないことを楽しみにするのもまたいいのだ。
プラト・ローザのゴンドラ降場の国境線
左側がイタリアで右側がスイス。
(柏木撮影)

 プラト・ローザは標高3480m。富士山よりほんの少し低いだけのところだから、空気もきっと薄いのだろう。

 そして、忘れてはいけないのが、今まさに、ここが吹雪だってこと。国境に立っているなんて感動していたのはわずかな瞬間だけで、あっという間にこの吹雪の凄さに圧倒されてしまっていた。この風による寒さはスゴイ!ガチガチに身体を震わせていたのだった。

 カメラマンに徹している升水さんと相沢さんの奥さんは、ここの頂上で陽が出てくるのを待つと言ってプラト・ローザに残ることに。我々スキー組は、マルコを先頭に海保さん、佐藤さん、杉山さん、相沢さんご主人と私と続き、今日もまた昨日までとは違ったスキーを堪能するぞと期待で胸を膨らませ、西斜面のコースに向け滑り出した。 ところがいきなり今日の難関が待っていた!風が強く視界が悪い為もあって、私の前を滑っていた相沢さんが何度か転倒し、なかなか苦労している様子だった。私は相沢さんの滑りがいつもと違うので、疲れが溜まっているのかなとも思い、駆け寄ると「ちょっと、ここはキツイから私はゴンドラまで戻って降りるよ。」と珍しく大変弱気になっていた。 ただ、ここからゴンドラまで戻るには既に離れすぎてしまっていた。ひとまずマルコに相談してみる。すると、「標高が高いせいもあるから疲れてるのだろう。でも、もう少し滑らないとゴンドラ乗場には辿り着けないよ。あともう少しだけ頑張っていこう!」と言う。 そうだ、ここは3000mを超えているのだ。空気が薄く疲れやすいのも当然だ。とりあえず、相沢さんにはもう少し標高の低いところまでがんばってもらうことに。

 すこし降りると風も弱まり、視界も良くなってきた。途中で相沢さんに調子を尋ねると「うん、何とか大丈夫。さっきはあまりにもすごいから、もうダメだ!ってすっかり自信なくしちゃってさ。」と。何はともあれ、このままみんな一緒に同行できることになって、よかった、良かった。そりゃあ、あんな吹雪の中で何度か転んだら、誰だって元気も自信も失っちゃうでしょ。この立ち直りの早いところも相沢さんのいいところだなぁと私は思う。

 すっかり吹雪がおさまった頃には、そんな相沢さんもまたいつもの調子で滑り出していた。 それにしても、私だって内心はかなりホッとしたのだ。こんな吹雪の中で一日中滑るのかよ?!と思ったとき、実は私もすっかり弱気になっていたのだから。
  みんなの日頃の行いが良いためか、次第に好天へ。時々陽も差すようになってきた。モンテ・チェルヴィーノもようやくその雄姿を見せ始めた。雲があるため現れたり隠れたりだったが、とにかく一目でもお目にかかれたことに大満足!かなり鋭角な山で絶対にスキーはできそうにないのだが、マルコの話では、そこを滑り降りたイタリア人がいると言う。命知らずな人がいるものだ。
モンテ・チェルヴィーノをバックに。
(柏木撮影)

 
第3日目 うまい料理に楽しい会話、気の合う仲間。
      そんな食事時間が大好き!

 吹雪が過ぎ、すっかり快調になった。途中でマルコが昼食の場所を予約しに行った。そこはテラス付でスキー場の真中に建っているところだった。なかなか雰囲気が良さそうだ。まだお昼までには時間があったので、とりあえず予約だけし、もう少しお預け。

 午前は割とのんびりと滑り、予約時間より少し早めにリストランテに到着。標高2700m地点の「シャレー・エトワーレ CHALET ETOILE」という所。中は軽食エリアとレストランエリアに分かれており、私たちはレストランエリアに。壁を見ると昔のスキーの道具などが飾ってあり、山のレストランという雰囲気がいっぱいだ。コックの数が多いのが、繁盛している証だろう。

 きのこのリゾットを食べたのだが、うん、味も満足だ。しかし、どこも美味しい、美味しいと書いていると、何でもいいのか?と私の味覚を疑う人もいるだろうが、もちろん嫌いなものもあるし、まずいと思うこだってちゃんとある! でも、もしかしたら、楽しい会話に花を咲かせながら食事をして、ワインも飲んでというスタイルで昼食をとっていたら、何でも「うまい!」って思えちゃうのかも、ね。まぁ、それはそれでいい。楽しく食事ができることが何よりも一番だから。これはマズイ、あそこで食べた方が美味しかった・・・などと考えていては気分まで悪くなってしまいますから。私は、3日目にしてもう、ツアーメンバーの皆さんとマルコたちと一緒に食事をすることが大好きになっていた。大勢でテーブルを囲むって素晴らしい。

 最後のデザートにはグラッパまで付いてきて、今日もまたまた、飲んでしまった。木の実で作った甘いグラッパ。グラッパは色々な味付けがされているので面白いな。プレーンのグラッパを飲めない人でも味付けがしてあれば、飲めるだろうし色々試すのもいいですよ。 しかし、またしてもやってしまった。こんなに飲んでばかりでいいのだろうか?研修とはいえ、仮にも仕事なのだ。顔は赤いながらもしっかりしないといけないでしょう。 ん?マルコ?彼も仕事だったよなぁ・・・でもそんな彼もウェアーだけじゃなくて顔までも赤くしていた。ヨーロッパ人でも顔が赤くなる人は赤くなるんだ。また親近感を覚えた。それに、今日は佐藤さんも赤い。この佐藤さんと海保さん、飲んでもあまり酔っぱらっている様子は見せないのだ。うらやましい。実は隠しているのかもしれないが、本来ならば私がそう振る舞わなくてはいけません。でも、こればかりは、努力して赤い顔を戻すことができるものでもないので、仕方ないか。

 
第3日目 ヴェンティーナの超ロングで大満足、大満腹!

 昼食後は、とりあえず麓まで戻った。そこで相沢さんは少し休むというので、5人でもう一度プラト・ローザまで行き、今度は東側のヴェンティーナ・コースを滑ることに。プラト・ローザを降りて右側のコースだが、ものすごく長いコースとして有名だ。標高差約1500m、全長約12kmを一気に滑れるのだから驚き。 すっかり天気がよくなった今回、プラト・ローザに降り立ってみたが、吹雪もなく大人しかったので、ほっと一安心。

 上部は氷河になっていてクレパスがある場合もあるので、上部でのオフピステ滑走は危険とマルコからの忠告。オフピステ好きの佐藤さんにとっては辛かったかも? さっそくコースを滑り出してみたが、さすがに標高が高いだけあり、ちょっと滑っただけでも息が切れる。これが空気の薄さっていうやつかぁ。
  氷河エリアを抜ければオフピステも滑り放題なのだが、私は前日の深雪での転倒の苦い経験があり、今回は遠慮した。本来ならそういう難しい所を挑戦するのが好きなのだが、後先を考えずに行動をできる立場じゃないので我慢、我慢。

 あまりに長すぎてどんなコースを滑ってきたのかはっきりとは覚えていないが、難しくもなく、退屈でもないコースだった。長いコースをノンストップで滑りたいという人にはピッタリのコース。私には持久力がないのできついコースだったけどね。 チェルヴィニアはヴェンティーナコースをお腹いっぱぁ〜い滑ったところで終了。駐車場で相沢さんとカメラ組の升水さん、相沢さんの奥さんと合流し、アオスタへ戻った。

 ホテルに到着後は、クリムトの絵の展覧会をやっていたので散歩がてらに行った。通常は有料なのだが、アオスタ州の共通スキーパスを持っていたおかげで無料で見ることができた。こんなところにもスキーパスの利点があるんだぁ。


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