イタリアスキー実体験レポート メンバーズボイス・アンケート イタリアスキー達人のコメント

2001 season 実体験レポート

新人スタッフ 柏木佑 研修レポート
「マルコのアオスタスーパースキー」(後編)
2001年1月7日〜14日
ISCスタッフ/柏木 佑

第4日目 こじんまりとした中にも面白さ満載!
      誰にでも愛されるクールマイユール。


 いつものようにマルコは8時にやって来た。相変わらず時間をきっちり守るなぁと感心。天気は曇りで雨も降りそうな雰囲気。昨日の時点では今日はモンテローザの予定だったが、マルコの判断で、クールマイユールの方が晴れる確率が高いと急遽予定変更に。 ただこの日、相沢さんの奥さんは、昨日のチェルヴィニアで高山病の症状が出てきたということで、ホテルに残って休養することになった。

 50分ほどでクールマイユールに到着。ゴンドラ乗場近くに車を止め、いざ、スキーへ出発。ゴンドラを3本乗り継げばスキー場の頂上までいけるのだが、この日は雪崩の危険があるため、3本目のリフトは閉鎖しており、2 本目終点で降りた。 天気も徐々に晴れてきて、さすがマルコ!といったところだ。モンテローザの方面は雲がかかっており、今日はクールマイユールにして正解だ!

シュクルイの正面バーンから。。
(柏木撮影)

 このスキー場の第一印象は、こじんまりしていて、他の今まで見てきたスキー場に比べると規模が小さいかなぁという感じだった。斜面はしっかりと圧雪がされており、斜面などの面では日本のスキー場に近いかなとも思った。ただ、ここはイタリア屈指の人気スキーリゾート。雪質と周囲の景色は、日本には似つかない程に最高だった。  この日は数回にわたって空砲を鳴らし、人工的に雪崩を起こしていた。雪崩を目にしたのは初めてだったので、そんな光景を見れたのも面白かったが、雪崩の様子を見ていると雪山の怖さもまた感じた。

 シュクルイ(CHECROUIT)の正面バーンは視界も良く人が少なければ爽快なスキーが楽しめる。運良く私たちはイタリアのバカンス期間が終わった後で、人もまばらで、その斜面を独占状態で滑ることができた。 西側斜面のヴァル・ヴェニ(VAL VENY)方面。ここも滑ってみるとまた違った景色が見えた。モンテ・ビアンコを目の前にして、林の中を抜けていくといった感じ。こちら側のほうが斜度変化が多く滑り応え満点だ。 ちょっとここ、クールマイユール、甘く見ていたけれど面白いぞ!コースがバラエティに富んでるし、道に迷うほどのスキー場でもない。他のスキー客を見ると若い人から家族連れまでいろいろな客層が・・・なるほど、たくさんの人から愛されているスキー場って訳だ。

 
第4日目 自分にないものを持つ人との出会いは素晴らしい。

 小学校に上がる前位の歳の子供たちのグループをマルコの友達のスキー教師が引率しいた。そして、なぜか私もその子達の1人をリフトの上まで連れて行くことになった。子供は好きだからいいけど、子供の方が知らないアジア人といきなり一緒にされたら驚くんじゃないかと心配していたが、そんなことは気にもとめず、ひたすら喋る喋る。こういう無邪気なところ、かわいいなぁ。 もし、自分だったら、きっと、知らない外人さんと一緒だったら驚き、心の中は半泣き状態で、早くリフト終わらないかなぁ〜って思い、黙ってしまうだろう。なのに、このグループの子供達は、そんな違いなんてものともせず、こんなリフト1本の道のりすら楽しんで過ごしている。何となく、この子供に何かを教えられたような気がした。 降りるときは話に夢中で一瞬そのまま下ってしまいそうでしたが、何とか私が抱えて一緒に降りることができた。と、こんなちょっとした現地の人との交流もお陰で楽しめた。

 クールマイユールでのお昼は晴れていたこともあり、場所が思い出せないが、BARで取ることになった。ここは外観はいかにもアルプスの山小屋といった感じなのだが料理はスキー場のファーストフード店といった感じで、この日のランチはお皿が紙皿だったからかもしれないが、残念ながらいたって普通だった。 さらに、昼食中、徐々に曇ってきてしまい、寒い寒い。頼んだフライドポテトも食べ終わらないうちにすっかり冷たくなってしまって・・・雰囲気は味わえるけど、食事は外でするものではないなと実感した。外ではお酒か温かい飲物を飲むぐらいが丁度いいのかも。もちろん、ガンガン滑ろうという人にとっては外で食事をするのはいいと思いますよ。中で食べて暖まってしまったら、また寒い中に出るには勇気が必要なので。
クールマイユールのバールにて。
左から佐藤さん、マルコ、相沢さん、杉山さん、海保さん(柏木撮影)

 あるいは、晴天率の高くなる3月以降、春スキーの頃だったら、外での食事は快適で、景色もよくお薦めでしょうね。それに、ここクールマイユールのスキー場には、フルコースを食べれるリストランテがあるらしい・・・モンテビアンコの眼下でフルコース、最高だろうなぁ。次回は是非、そこへ連れてってくれよ、マルコ!
 食後はヴァル・ヴェニ方面を中心に滑降。コースの幅は狭いが変化が多く面白い。3時半頃まで滑り、その後はクールマイユールの街の観光へ。 街は観光シーズンが過ぎた後だけあって、ガランとしていたがメインストリートに靴屋から土産屋、ブランド品店などがずらっとビッチリ建ち並んでいた。リッチな人たちのリゾート地というのもうなずける。

 ホテルに戻って夕食の時間。一人でホテルに残った相沢さんの奥さんに調子を尋ねてみた。すると、なんと1人で医者まで行き、診察してもらったと言うではないか。 結果はというと、やはり高山病になっていたらしくじっとしていれば治るでしょうと言われたようなで一安心なのだが、それよりも、奥さんの行動力は素晴らしい! 勉強をされているとはいえ、あまり使い慣れていない言葉で相手にしっかりと言いたいことを伝え、理解してしまうなんて。医者もホテルで聞いて自分で見つけて行ったのだ。

 ツアーの素晴らしさの一つに、いろいろな人に出会えるということがある。そこで自分にないものを持っている人たちと出会い、今まで自分が知らなかったことに気づいていく、そんな楽しさがあり、今回、お陰様でそんな楽しさもしっかりと味わえた。

 
第5日目 スキー最終日は、2つの大渓谷に跨る3エリアから成る
      モンテローザへ。

 とうとう今日はスキー最終日。アオスタスーパースキーツアーも最後のスキー場、モンテローザを残すのみとなってしまった。本日の天気は...雪。あぁ、ついてないなぁ。最終日も天気に恵まれないなんて。あ〜あぁ。でも、こればっかりはいくら嘆いてもどうにもなるもんじゃないから仕方ない・・・よなぁ。

 いつものように8時にホテルを出発。相沢さんの奥さんも復活し、全員そろってモンテローザのスキー場へ向かった。ここは5つのスキー場の中で一番アオスタから遠い所にあり、車で約1時間半ほどかかる。 モンテローザ付近は、他のクールマイユールなど比較的フランスの影響を受けているアオスタ各地とは違い、ドイツに影響を受けている地域の為、建物のつくりが違うのだそうだ。また、以前は金持ちの別荘地となっていたらしく一軒一軒の家が大きく、他の町とは違う雰囲気をもっている。そういったところにも注目するとおもしろい。
モンテローザスキー場
グレッソネイエリア東側
(柏木撮影)

 モンテローザはアヤス渓谷エリアとグレッソネイ渓谷エリア、ヴァラーニャ・ヴァルセジアエリアの3つのエリアがあり、この日はマルコの判断でグレッソネイ渓谷エリアに行くことになった。グレッソネイ渓谷は3つのエリアの真中にあり、アヤスにもヴァラーニャにも接続できるので便利な位置だ。

 
第5日目 野生動物(?)と不思議な人(?)との出会い

 2本目のゴンドラに乗っていると、杉山さんが「何か、見えるよ」と言って指をさした。その指の方向をずっと見ていたらカモシカのような動物がいた。あっ、ホントに絵になるような現われ方だなぁと思っていると、マルコが「スタンベッコ」って言うんだと教えてくれた。でもその後に続いた言葉は、「あれはね、銅像だよ。」って。なーんだ。とはいえ、一瞬本物に思わせてくれるところがニクイですね。近くに寄っても、本物かなって思うぐらいよく出来ている。これには思わずシャッターを切らずにはいられなかった。

 しばし写真撮影タイムとなり、それぞれが写真を撮ったりしたのだが、景色が良かったわけではないんだよね。霧で遠くは見えなかったが、太陽がうっすらと差し込んできて、とってもいい雰囲気をかもし出していたから。

 写真撮影が済んだところで滑り始める。天気が悪いおかげで人が少なく、滑り放題。なんて気持ちいいんだろう。幸せだぁ〜。と降りていくとスキーを履いて斜面を登ってくる人がいる。おいおい、スキーは上から下に滑るものじゃないのかい? 実はこの方、3月に毎年開かれるレースに向けトレーニング中とのこと。レースのトレーニングって言ったて普通は上から下じゃないのかい?そのレースは一体どんなものなのか訪ねてみると、何とチェルヴィニアの麓から山を越えてグレッソネイまで歩くレースだという。山を越えるのだから、もちろん下りもある。

 でも、下って滑るためには、そう、登らなきゃいけなのだ。すっごいこと考えるよなぁ。このレースはかなり過酷で、何ヶ月も前から練習をしていないと完走は難しいようだ。挑戦はしなくていいから、したくないから(?)どんなものか一度見てみたいものだ。 とにかく、頑張ってください!
スタンベッコの像
本物と間違えるほどです。
(柏木撮影)

3月のレースに向けトレーニング。
この後、山を越えて行った。
(柏木撮影)


 
第5日目 半日スキーを豪快にカッ飛び、豪快なランチへ。
      ついに負けたか?!

 その後も、午前中のみの滑走予定だけにマルコはスキーを飛ばし、谷の西側斜面を滑り、再びスタファルまで戻ると、今度は東側斜面に挑んだ。つまりスタファルを中心に東西につながるゴンドラ両方に乗ったのだ。 斜面も下に下りるに従って、上級の林間コースといったふうで、楽しめた。アヤス渓谷エリアまでは行かなかったが、午前中の半日スキーとしては満足といったところ。 朝は悪かった天気も昼近くになると徐々に良くなってきて、天気雨ならぬ天気雪といった感じになってきた。しかし、もうそろそろ、スキー終了予定の時間。カメラ組との待ち合わせもあるし、切り上げなければ。もう少し滑りたいという気持ちもあったが、そういうときに止めておかないと怪我にもつながるしこれで丁度いいんだと、自分に言い聞かせ私の初イタリアスキーであり、21世紀最初のイタリアスキーは幕を閉じた。

 待ち合わせではちょっとしたハプニングがあり、昼食を食べに行くのは2時頃になってしまったが、これもご愛嬌。みんなの人柄の良さで何事もなかったように、マルコが予約をしておいてくれた、麓のリストランテへ車で向かった。

 そこは、40代程の夫婦がやっているリストランテだった。時間が遅かったのもあってか、お客は私たちの8人のみ。料理はお任せのアオスタ料理にしてもらったが、量がものすごい! ハムやサラミなど出てくるわ、出てくるわ。おまけに美味しいもんだから、どんどん食べてしまった。ワインも料理に良く合うので勧められるがままにグイグイ、グイグイいってしまった。デザートも今までにない盛り合わせ。大きい皿にケーキやらジェラートやらと盛り沢山。甘いもの好きの私にとってはたまらない至福の時だった。

 もちろん今日の会話も楽しく、楊枝のことをイタリア語で「ストゥッティカデンティ」というのだが、これを聞いた相沢さんご主人が「え?ち、ちちくり何だっけ?」と言ったのにはもう、かなり笑わせてもらった。確かにイメージは伝わるな。イタリア語でも「ストゥッティカーレ」という動詞はつつくといういう意味だし、男女間でも使うらしい。こんな話もあって今日は本当にお腹も心も腹いっぱい!すっかり満たされた。

 帰る時に、店の奥さんにグラッパも飲んでいけと言われた。もう充分だと思ったが、またもや一杯。まだこの後に市内見学もあるから、酔いつぶれられないと必死にがんばった。時刻はもう4時。あっという間に時間が過ぎた感じだった。時間を忘れるぐらいに楽しい食事、いいねぇ。

  その後はグレッソネイ・サン・ジャンの町を1時間程見学。こじんまりとした静かな町で、人もほとんどいなかったが、みやげ物屋の木工細工などを見ているだけでも楽しい。他にはこれといって珍しい建物などはなかったがウィンドウショッピングで充分に楽しめた。

 外も暗くなってきた頃、アオスタのホテルに戻ったのだが、私は車の中でぐっすりと眠ってしまった。とうとうお酒に負けてしまったのだ。かなり私の上半身は左右に動いていたらしく、ホテルに着いたときには、私の身体はつけていなかった筈のシートベルトでしっかりと固定されていた。マルコ、本当に申し訳ない!でも勝てなかったのだ。

 そしてその日の夕食は地獄のよう。昼食をとったのが遅く、満腹でもう入らない!けれどせっかくホテルのコックさんが作ってくれているんだ。食べないともったいないし、申し訳ない。しっかりと平らげましたよ。そんなわけで私の腹は更に膨れ、アオスタスーパースキーからのゴール後、すぐに肥満へのスタートを切りそうになった。


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